救護施設入所者が高齢者宅を訪問 コロナ禍以来5年ぶり〈光明寮・大分〉
2025年04月23日 福祉新聞編集部
大分県豊後大野市にある社会福祉法人大分県光明寮(佐藤祝理事長)が運営する救護施設「光明寮」は、コロナ禍で休止していた地域の独居高齢者宅を訪問する「ふれあい訪問」を1月から再開した。
希望する利用者2人に職員1人が付き添い、地域の独居高齢者宅を月に1回無償で訪れる。お茶と菓子を持参し、1時間ほど世間話をして過ごす。
再開したのは1月24日。90歳を超える独居高齢者宅を訪問した。今でも身の回りのことをほぼ自分で行っていると聞くと「すごいですね」と、利用者は驚きと感銘を受けていたという。
コロナ禍で地域の交流は減ったが、今でも趣味のゲートボールをしている話や、デイサービスに通い始めた話など、他愛もない会話をしてこの日の訪問は終了した。およそ5年ぶりの訪問に、利用者も楽しそうにしていた。
休止期間中に独居高齢者が亡くなるなど、現在の訪問先は1カ所となっている。1月に再開以降、毎月実施し、3月末までに5人の利用者が訪問した。
ふれあい訪問は、独居高齢者の安否確認だけでなく、利用者の精神的安定や生きる活力にもつながるとして、4月以降も続ける方針。
大分県光明寮 終戦直後、収入の少ない視覚障害者のため、自身も全盲の古賀眞義氏らが資金を集め、1947年11月に大野郡盲人協会、翌12月に光明寮を設立したのが始まり。4度の移転を経て、現在は豊後大野市三重町玉田に施設を構えている。