三重・熊野に児童養護施設 エレコム創業者が5億円寄付
2024年04月23日 福祉新聞編集部三重県の東紀州地域で初となる児童養護施設が4月、熊野市内に誕生した。地域小規模児童養護施設(定員4人)に、同市隣接の御浜町から移転した児童家庭支援センターが併設されている。運営は、津市で児童養護施設を運営する社会福祉法人聖マッテヤ会(池田修一理事長)が担う。児童家庭支援センターは移転前も同会が運営しており、引き続き東紀州地域を管轄する。
パソコン関連製品の製造、販売企業エレコム(大阪市)の創業者で熊野市出身の葉田順治会長の思いで実現した。葉田会長は出身地の三重県にさまざまな社会貢献活動を展開しているほか、葉田財団を設立して社会的養護を必要とするこどもたちへの支援も行っている。
御浜町の児童家庭支援センターを視察した際、東紀州地域にも児童虐待があることを知り衝撃を受け、施設の建設を決意。総事業費約6億5000万円のうち、約5億円を葉田会長が聖マッテヤ会に寄付。残りの1億5000万円はエレコムの寄付や国、県の補助金で賄った。
施設は地元の紀州材をふんだんに使用した温かみのある平屋建てで、国立競技場の設計を手掛けた世界的な建築家の隈研吾さんが担当した。