専門性を社会と共有 長く働ける環境整備も〈全養協大会〉
2025年11月26日 福祉新聞編集部
全国児童養護施設協議会(髙橋誠一郎会長)主催の全国児童養護施設長研究協議会が11日から3日間、福島県郡山市内で開かれた。5月の総会で選出された髙橋会長が登壇し、基調報告で今後の課題について言及した。
髙橋会長が最優先に取り組みたいことに挙げたのは3点。まず、こどもの権利擁護と最善の利益の追求を根幹に、児童養護施設の「専門性の社会化」に力を注ぐことを挙げている。専門性の社会化とは施設の専門的な知識や技術を社会と共有していくことを指している。
大学、短期大、専門学校などの養成校は、専門性の高い人材育成に重要な機関とした上で、各地域で施設と養成校の連携を深め、児童養護施設の理解を深めてもらうことが「施設の専門性の社会化に不可欠」としている。
次に、職員が長く安心して働ける職場環境の整備と働きがいのある制度づくり。髙橋会長は、これまで同様、人員配置増の訴えなどをしながら、「こどもの成長・変化をチームで分かち合い、仕事の素晴らしさをモチベーションとして、専門性の向上のために重点的に取り組んでいきたい」と話した。
最後に2030年以降を見据えて、国と連携しながら社会的養護の将来ビジョンを構築するための提言と、現場の声を反映した政策づくりの基盤を整えることを挙げた。
全養協では、児童養護施設の在り方について、制度の枠組みにとどまらず提言を行う特別委員会を23年に設置している。児童養護施設が果たす役割の重要性を明確にして、協議会として積極的に発信していく方針だ。

