「組織を挙げ虐待防止」知的障害者福祉協会が施設長会議で決意

2023年0724 福祉新聞編集部
あいさつする井上会長

 日本知的障害者福祉協会(井上博会長)は7月13、14両日、都内で全国知的障害関係施設長等会議を開いた。

 

 井上会長は初日の開会式で、障害者の意思決定を支えることをうたった法制度について「理念は良い方向性だ」としつつ、足元を見れば、施設職員による障害者への虐待という現実があることにも触れた。その上で、「知的障害者の権利擁護を旗頭に掲げる団体として、虐待防止は会を挙げて取り組むべき課題だ」と語った。

 

 障害福祉に従事する職員による虐待被害者の7割が知的障害者で、虐待の発生場所の多くは入所施設やグループホームであることが厚生労働省の全国調査で分かっている。

 

 虐待発生の背景にあるのが、自傷・他害行為のある「強度行動障害」の人への対応だ。障害者の危険な行為を職員が制止したり、その体の一部を拘束したりするのは虐待と隣り合わせとも言える。

 

 これに関連し、同協会は昨年6月、行動障害の著しい障害者が最長2年間暮らす「行動障害生活支援センター(仮称)」を各都道府県に1カ所設けることを厚労省に提案した。

 

 専門の職員が本人の障害特性をアセスメントし、次の住まいへの移行を支える「集中的支援」の拠点にしたい考えだ。この提案を受けて厚労省は強度行動障害に関する検討会を開き、今年3月にその報告書をまとめた。

 

 伊藤洋平・厚労省障害福祉課長は初日の行政説明で「来年4月の障害報酬改定の中で集中的支援をどう扱うか考えたい」と話した。

 

 強度行動障害をめぐっては、幼児期からの発生予防も重視されている。今年6月閣議決定した「骨太の方針2023」は、障害児の支援基盤の強化を明記。特に児童発達支援センターの機能強化が重点課題となる。

 

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