こども家庭庁が船出 司令塔に3部局、430人体制 縦割り打破できるか

2023年0410 福祉新聞編集部
医療的ケア児も参加した

 こども家庭庁が4月1日、発足した。内閣府の外局として3部局・430人体制で、こども政策の司令塔機能を担う。初代の担当大臣には引き続き小倉將信・こども政策担当大臣が就任。大臣訓示では職員に対し、こどもの意見を聞く大切さを訴えるとともに、支援の現場と緊密に連携するよう指示した。新たな庁の船出により、複数省庁にまたがる政策の縦割りを打破し、実効性のある政策を作れるのか、注目される。

現場と連携も指示

 「今年はこどもまんなか元年だ。今日からこども家庭庁の歴史を一緒につくっていこう」――。

 

 発足にあたり小倉大臣はオンラインでこう訓示した。また、職員がさまざまな省庁や自治体、民間の出身者で構成していることにも触れ「出身元の利害にとらわれず、常にこどもまんなかの視点で政策を考えてほしい」と強調。さらに「こどもに向き合う関係団体など現場を意識し、常に緊密に連携することが大切だ」と語った。

 

 こども家庭庁は、霞が関ビル(東京都千代田区)の中に設置し、厚生労働省子ども家庭局や内閣府子ども・子育て本部などを移管。首相直属の機関として、国立児童自立支援施設も含む430人体制でスタートした。

 

 体制については、事務方トップの長官に厚労省出身の官僚が就任し、その下に3部局を置く。総合調整や少子化対策を担う長官官房長は財務省、保育やすべてのこどもの育ちを担当する成育局長は厚労省、虐待や障害などに対応する支援局長は内閣府の出身者が就いた。

 

 また、社会的養護施設は支援局家庭福祉課、障害児施設は同局障害児支援課、保育所や認定こども園は成育局の保育政策課がそれぞれ所管する。これまで厚労省で虐待防止対策推進室が担当した児童虐待問題や新しいこども分野の資格については、支援局虐待防止対策課が担う。

 

 一方、幼稚園など教育行政は引き続き文部科学省が担うとともに、婦人保護事業や小児医療などは厚労省が所管する。

 

 こども家庭庁は、各府省庁に対して改善を求める「勧告権」を持ち、今後のこども政策を主導する。こども行政に詳しい大臣経験者は「省であればほかの省庁に口出しすることは不可能。首相直轄の庁だからこそ大きな力を持つことになる」と解説する。

 

 当面の大きな課題は少子化対策だ。今後首相を議長とする「こども未来戦略会議」を創設。6月の「骨太の方針」に向け、どこまで財源のめどや、優先的に行う施策を盛り込むことができるかが最初の試練となる。

こどもと習字で看板作り

 3日のこども家庭庁発足式には、岸田文雄首相や小倉將信・こども政策担当大臣のほか、医療的ケア児も含むこどもら6人が参加した。

 

 岸田首相は「『こどもまんなか社会』の実現に向け、何より大切なのは、こどもの意見を受け止め、実際に政策に反映することだ」と強調。「一緒に考えながら政策をつくることを仕事の原点とすることを約束したい」と述べた。

 

 その後、こどもらと小倉大臣が手分けして「こどもまんなかこども家庭庁」と筆で書いた。それぞれの字はデジタル化され、看板になるという。

 

 発足式後、小倉大臣は記者団に対し、こどもと共に習字をした狙いについて「こどもを権利の主体者として一緒に政策をつくり上げることを目に見える形で具体化したかった」と説明。「意見を聞くだけでなく、反映することを心掛ける」と語った。

 

 発足式は庁内にある「こどもまんなかひろば」で実施した。オレンジ色の壁には、世田谷区の保育所の園児が描いた絵が飾られた。参加したこどもたちは、小倉大臣らがこどもから直接意見を聞く「こどもまんなかフォーラム」の参加者の中から選ばれたという。

 

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