特別支援学校の盲ろう児、推計200人 障害の状態把握など課題
2025年02月22日 福祉新聞編集部
国立特別支援教育総合研究所の「特別支援学校における盲ろう幼児児童生徒の教育実態調査」(速報)によると、確認できた盲ろう児数は200人で、障害の状態は53%が弱視難聴、25%が測定不能・不明、16%が全盲難聴だった。また、200人のうち、85%に視覚、聴覚以外の障害があり、37%が医療的ケアを必要としていた。
コミュニケーション手段について、盲ろう児は「泣き声や表情」「話し言葉」「身振り」が多く、担当教員は「口話、話し言葉」「直接身体に触ってガイドする」「実物を示す」がそれぞれ多く、盲ろう児の状態に応じて複数のコミュニケーション方法を組み合わせることが必要とされた。
一方、盲ろう児が在籍する学校は113校で、そのうち盲ろう児の指導経験者がいる学校は88校(78%)だった。担当者が感じる課題は「どれくらい見えて聞こえているか」「伝えたいことが確実に伝わっているか」などの判断が難しいことが挙げられた。指導する上で盲ろう児の実態把握、コミュニケーションに困難さがあった。
盲ろう児は全国的に少なく点在することから、研究所は「教員の情報交換、指導について協議できる場を地域を超えて構築する必要がある」としている。
調査は2023年10月~24年3月に全国の特別支援学校1283校を対象に行い、1015校の回答を集計した(回収率79%)。