ろう者のスポーツの祭典「デフリンピック」日本初開催、555日前記念トークショー

2024年0522 福祉新聞編集部
左から朝原さん、中田選手、五十嵐さん

東京都は9日、ろう者のためのスポーツの祭典「東京2025デフリンピック大会」開催555日前を記念して、港区の都立中央図書館でトークショーを開いた。大会応援アンバサダーの陸上短距離元日本代表・朝原宣治さんや、デフバレーボール女子日本代表・中田美緒選手、両親がろう者の作家・五十嵐大さんが登壇し、ろう者とのつながりやデフリンピックへの思いなどを語り合った。

トークショーには「555日前」に合わせて、55人の一般観覧者が集まった。

職場で唯一のろう者だという中田選手は「仕事をする上で筆談でもコミュニケーションを取れるが、自己紹介やあいさつなど簡単な手話を覚えてくれるととてもうれしい」と話した。五十嵐さんは「筆談でのコミュニケーションは、ろう者が聴者に歩み寄っている状態。簡単なものでいいので、手話を覚えることで互いに信頼関係が生まれるのでは」とした。

デフリンピックが自国開催されることについて朝原さんは「気負って力を入れすぎず、素直に周囲の応援を力に変えて楽しんで大会に臨んでほしい」とエールを送った。

中田選手は「聞こえないこどもたちのロールモデルになりたい」と目標を語った。

デフリンピックは2025年11月15~26日の12日間開催される。日本では初開催で、参加国は70~80カ国・地域、参加者は選手、コーチなど関係者も含め約6000人規模になることを想定している。