「補助犬って何だろう?」補助犬情報センターが小4に出前授業(横浜)

2024年0304 福祉新聞編集部
「みんなと同じことを違う方法でやっています」と話す松本さん(左端)

日本補助犬情報センター(横浜市)は2月20日、同市内の新吉田小(関谷道代校長)で、出前授業「補助犬って何だろう?」を開いた。体育館に集まった4年生約100人に、聴導犬使用者の松本江理さん(東京)は「私は聴こえないけれど、朝起きて、ご飯を食べ、買い物にいったりする。やることはみんなと同じ。みんなと違う方法でスマホを使ったりするだけだ」と語った。

 

「障害者に限らず、背の高さ、得意な科目、話す言葉などみんな違いを持っていることを知ってほしい」と話し、「ユニバーサル社会」という言葉の意味をかみ砕いて説明した。

 

同校から依頼を受けた同センターが、松本さんと盲導犬使用者の碇谷純子さん(同市)をゲスト講師として授業できるよう調整した。

 

松本さん、碇谷さんはいずれも成長の途中で障害を持ち、結婚してこどもを育てた。現在、どのような人や道具を頼って暮らしているか紹介し、盲導犬や聴導犬はそうした「頼り先」の一つだとした。

 

「こどもたちには思いやりの気持ちを持ってほしい」(同校の荻原葉教諭)との狙い通り、児童からは「補助犬にどんなことをしてはいけないか」「補助犬が病気になったらどうするのか」といった質問が上がった。

 

飲食店など不特定多数が利用する施設での補助犬(盲導、介助、聴導)の同伴拒否を禁じた身体障害者補助犬法は、2002年5月に成立、03年10月1日に全面施行された。

 

施行後も同伴拒否がなくならず、同法の周知不足が指摘される中、新吉田小では17年度から毎年、4年生を対象に補助犬使用者を招いた授業を行ってきた。

 

これまでも同校で講師をしてきた松本さんは22年12月、同センターの職員や介助犬使用者、盲導犬使用者とともに首相官邸で岸田文雄首相と面会。学校教育の中で補助犬について学べるようにすることを要望した。