初の飲酒指針を決定 厚労省「健康に配慮を」

2024年0227 福祉新聞編集部

厚生労働省は19日、飲酒に伴う健康リスクを分かりやすく示すガイドライン(指針)を公表した。飲酒量ではなく純アルコール摂取量に着目し、その摂取量を継続した場合の発症リスクを疾病ごとに示した。不適切な飲酒を減らし、健康に配慮するよう自治体を通じて呼び掛ける。

 

厚労省が飲酒と健康に関する指針を作るのは初めて。大腸がん、脳卒中、肝臓がんといった疾病ごとに発症リスクを高めるアルコールの摂取量を一覧できる表を盛り込んだ。

 

生活習慣病のリスクを高める摂取量としては「1日当たりの純アルコール摂取量が男性40グラム以上、女性20グラム以上」と明記した。

 

これについては、この量を下回る飲酒を推奨するかのように受け取られると懸念する声が検討過程で上がったため、指針には「飲酒する場合の許容量ではない」と追記した。

 

厚労省によると、純アルコール20グラムはアルコール度数5%のビールなら500ミリリットル、同7%の酎ハイであれば350ミリリットルに当たる。

 

飲酒指針はアルコール健康障害対策基本法に基づく政府の第2期基本計画(2021年度からの5カ年)において、第2期中に作ることになっていた。

 

飲酒による疾病は健康問題であり、長期にわたり生活に支障を来す障害でもあることから、同法は障害保健福祉部が所管している。