死後事務で新事業 身寄りない高齢者支える〈埼玉・ふじみ野市社協〉
2025年09月01日 福祉新聞編集部
埼玉県ふじみ野市社会福祉協議会は今年度、身寄りのない単身高齢者の金銭管理、入院手続き、本人が亡くなった後の葬儀、納骨などの死後事務を支援する「ふじみ野みらいサポート」を始めた。7月末までに31人から相談があり、3人が契約に向けて調整を進めている。
同市社協が昨年実施した単身高齢者アンケートでは入院手続き、家財処分のほか、死後事務の悩み、心配が3年前の調査から増加。市職員や行政書士を交えて身寄りのない高齢者を支える取り組みの実施に向けて議論してきた。
みらいサポートは市内在住で契約内容を理解できる1人暮らしの高齢者(生活保護受給者は除く)が対象で、支援計画、公正証書遺言の作成を経て契約。電話、訪問による見守りや、日常の金銭管理、入院・施設に入所する際の手続き、預託金による死後事務などを担う。入会金1万円、基本利用料年額1万2000円。預託金の額は契約前に相談して決定する。
身寄りのない高齢者の支援をめぐっては、民間企業の終身サポート事業が増える一方、高額な契約によるトラブルが生じるケースもあり、国は事業者向けガイドラインを策定している。
また、5月に開かれた厚生労働省の「地域共生社会の在り方検討会議」の中間取りまとめには、身寄りのない高齢者の日常生活支援や死後事務などを提供する新事業を、第二種社会福祉事業に位置付ける方針が盛り込まれた。