総合的な支援法が必要 日本ケアラー連盟が自民党議連に提言

2024年0630 福祉新聞編集部
あいさつする田村会長(左から3人目)

自民党ケアラー議員連盟(田村憲久会長)の総会が6月18日、衆議院第1議員会館で開かれ、働きながら親を介護するワーキングケアラーを取り上げた。出席した日本ケアラー連盟(代表理事=堀越栄子・日本女子大名誉教授ら)は、ワーキングケアラーが健康を害し不安も感じている実態調査を踏まえ、総合的な支援策を講じるためケアラー支援推進法(仮称)が必要だと提言した。

調査には従業員300人超の企業で働く40~59歳のワーキングケアラー300人が回答した。9割が不安を感じており、経済的な必要性から働き続ける人が多かった。平均介護時間は勤務日が2時間半、休日が4時間だった。同連盟の山口麻衣理事は「想像以上に深刻だ」と説明した。

提言では支援策として「相談援助」「経済的支援」「心理的サポート」を挙げた。企業内の健康診断におけるアセスメント、カウンセリングが受けやすい支援のほか、ワーキングケアラーに特化した相談窓口の設置も求めた。

また、心身の不調で仕事に復帰できない人も多いため、多様な働き方の選択や就労支援の充実が大事だとした。大企業だけでなく、中小企業や非正規職員のワーキングケアラー、医療的ケア児の親も対象にした調査の必要性も指摘した。

田村会長は「6月5日に改正子ども・若者育成支援推進法が成立し、ヤングケアラーが定義付けられたが、ケアラー全体の支援を考えるのがこの議連の役割だ」と述べた。