ヤングケアラーを初めて定義 改正子ども・若者育成支援推進法が成立

2024年0619 福祉新聞編集部

「ヤングケアラー」の定義を初めて法律に明記した改正子ども・若者育成支援推進法(子若法)が5日、参議院本会議で可決、成立した。

ヤングケアラーは「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」とし、国、自治体などが支援に努めるべき対象に加えた。年齢を明記しないことで18歳以上にも切れ目のない支援が継続できるようにする。

同法は子ども・子育て支援法などを束ねた法案として審議されていた。

各自治体に期待

これを受け、日本ケアラー連盟(代表理事=堀越栄子・日本女子大名誉教授ら)が10日、厚生労働省で会見した。子ども・若者ケアラーへの支援が法的根拠を持ったことを「大きな前進」と評価。具体的な施策や予算化につながり、現状では自治体の取り組みにばらつきがあるが、全国に広がることを期待した。

会見に同席した田村憲久自民党ケアラー議員連盟会長も「定義ができたことは非常に大きい。進めている政策の根拠ができた。しっかり対応していきたい」と述べた。

一方、連盟は定義に「過度」と記されたことについて、周囲に気づかれていないが本人が苦痛を感じている可能性のある「要配慮レベル」の人が排除されかねないことを懸念。支援の対象を狭めないよう訴えた。

また、認知症や医療的ケア児など個別制度ごとに対策が行われているが、ケアラーへの支援を社会的に認知して横断的に支える仕組みをつくるための基本法が必要だとし、法制化に向けて取り組むとしている。