引きこもり支援の効果検証必要 自民議連が厚労大臣に提言

2024年0611 福祉新聞編集部
武見厚労相に提言を手渡す下村会長(中央)

自民党のひきこもり支援推進議員連盟(下村博文会長)は5月31日、2025年度予算の編成に向けた提言を引きこもり支援策を所管する閣僚に手渡した。市区町村による支援体制にばらつきがあることから、今後は共通した理念のもとで支援を行い、その効果を検証するよう求めた。

武見敬三厚生労働大臣との面会後、下村会長、田畑裕明事務局長が提言について記者団に語った。

下村会長は、引きこもりの人が社会との接点を持つことを効果の一つと捉え、「仕事ができれば一番良いかもしれないが、まずは(本人が)居場所を持つことだ。それぞれの状況に応じて支援できる体制づくりを加速してほしい」と述べた。

特に注目しているのが、厚労省が調査研究事業で今年度中に作る「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤」だ。支援対象者の多様な状態像を集めて類型化し、その対応方法を収めることとしている。

議連はこのハンドブックを早期に活用すること、政府の孤独・孤立対策に「引きこもり支援」を位置付けること、支援に当たる専門人材の育成やピアサポーターの活用を進めることも求めた。

提言は盛山正仁文部科学大臣、加藤鮎子孤独・孤立対策担当大臣にも提出した。

内閣府は23年3月、15~64歳の国民の約2%に当たる約146万人が引きこもり状態だとする推計を公表。引きこもり支援に特化した法律はないため、議連は基本法の制定を目指している。