柔軟な働き方を選択 改正育児・介護休業法が成立、来年施行

2024年0602 福祉新聞編集部

仕事と育児・介護の両立を支援する改正育児・介護休業法などが5月24日、参議院本会議で賛成多数により可決、成立した。こどもが3歳から小学校に入学するまでの間、テレワークや短時間勤務、時差出勤などの制度を二つ以上用意し、従業員が選べるよう事業主に義務付ける。家庭の事情によってキャリア形成が妨げられることのない社会を目指す。2025年4月以降に順次、施行する。

障害児の親に配慮指針

また、妊娠・出産の申し出をした従業員や、3歳未満のこどものいる従業員には、仕事と育児の両立について個別に意向を聞き取り、配慮することを事業主に義務付ける。

その際、障害児や医療的ケア児のいる従業員については、その希望に応じて短時間勤務や子の看護休暇を延長することが望ましいと指針に明記する。ひとり親である従業員についても事業主に同様の配慮を求める。指針は今後、厚生労働省が作る。

要介護の基準も見直し

厚労省は介護休業の対象となる要介護状態の判断基準についても見直す。現在の基準は高齢者介護を念頭に置いており、障害児や医療的ケア児の場合は解釈が難しいとの指摘を踏まえた。

送迎の負担緩和検討

国会審議では、障害児の通園・通学支援や、高校卒業後の作業所などへの送迎についても仕事との両立を阻むものとして浮上した。

そこで衆院、参院とも付帯決議において、厚労省とこども家庭庁が連携し、障害児や医療的ケア児のいる従業員への包括的支援を検討することを求めた。