住民団体に指定制度 地方自治法改正案「透明性を確保」

2024年0313 福祉新聞編集部

政府は1日、地方自治法改正案を閣議決定した。高齢者の見守りやこどもの居場所づくりといった地域活動に取り組む住民団体を市町村が指定し、支援する枠組みを創設する。

 

そうした団体が活動しやすいようにする一方、その運営の透明性を確保し、参加する構成員も制限されないようルール化する。

 

今国会での成立を目指す。施行は公布日から3カ月を経過した日。人口減少で公的サービスの維持が難しいとして官民連携の枠組みが求められていた。

 

組織の名称は「指定地域共同活動団体」とする。具体的な活動内容は「特定地域共同活動」としてその市町村が条例で定める。

 

昨年12月、第33次地方制度調査会(首相の諮問機関)が、さまざまな関係者と連携、協働して活動する団体を法律に位置付ける選択肢を設けるよう提案していた。

 

指定される団体は法人格の有無を問わない。自治会や社会福祉協議会、社団法人なども対象になり得る。

 

市町村は運営経費の補助や情報提供をはじめ必要な支援を講じるほか、他団体との調整なども行う。

 

改正案はこのほか、災害や未知の感染症など非常事態の際、個別の法律に規定がなくても、国民の生命保護に必要な対策の実施を国が自治体に指示できるようにする。

 

新型コロナウイルス感染症の対応の際に、自治体に対する国の権限が明確化されていなかったことが課題となり、法改正が必要と判断した。