子育て世帯の支援強化 与党税制大綱を決定
2023年12月23日 福祉新聞編集部自民党と公明党は14日、2024年度税制改正大綱を決定した。物価高などを踏まえ、所得税の減税や子育て世帯への支援を強化するのが柱。政府は大綱を基にした法案を1月からの通常国会に提出する。
大綱は物価高について、四半世紀続いたデフレ脱却に向けた「生みの苦しみ」だと指摘。賃上げなど日本経済は動き始めているとし、構造転換への千載一遇のチャンスだと訴えた。その上で、社会構造の変化を踏まえた税制の見直しだと強調している。
賃上げに向けては、24年の所得税と住民税の定額減税を行う。納税者と配偶者を含めた扶養家族を対象に、所得税を3万円、住民税を1万円減税する。24年6月から行う。ただ、所得2000万円を超える場合は対象外。
住民税が非課税の場合は1世帯当たり7万円、住民税が課税で所得税は非課税の場合は10万円を支給する。こどもがいれば1人につき5万円を追加する。
所得税の納税額が4万円に満たない場合は、減税額に達するまでの差額を1万円単位で支給する。
同時に子育て世帯への支援もする。政府は24年度から児童手当の支給期間を高校生まで延長するなど拡充する方針を示していた。これに伴い大綱は、高校生を育てる親への扶養控除について、所得税は38万円から25万円、住民税は33万円から12万円に引き下げる。最終的な結論は25年度大綱で再度確認する。
ひとり親への控除についても税制優遇の対象となる所得要件を500万円以下から1000万円以下に。所得税の控除額も所得税を35万円から38万円、住民税を30万円から33万円に引き上げる。
さらに住宅ローン控除も拡充する。
年末時点のローン残高の0・7%を所得税や住民税から差し引く同控除は、24年から対象とする借入額の上限を引き下げる予定。ただ、こどものいる世帯などは現行を維持する。
「生命保険料控除」は、上限4万円を6万円まで引き上げる。