機器で配置基準緩和を 日本商工会議所が社会保障制度に提言

2023年1128 福祉新聞編集部

日本商工会議所(小林健会頭)は20日、社会保障制度に関する提言を発表した。介護分野については、事業者に関して見守り機器を導入した場合の人員配置基準の緩和を要望。一方、利用者には自己負担を2割とする対象の拡大を求めている。

 

同会議所は急激な少子高齢化と人口減少は地域や国家の存立に関わると指摘。現役世代や企業の追加負担の抑制は、こどもを産み育てる機運を高めるためにも重要だと強調した上で▽介護▽医療▽年金▽DX(デジタルトランスフォーメーション)――などの分野について提言した。

 

介護分野に関しては人材確保が極めて深刻な状況だとして、掃除や配膳などを担う介護助手を推進するよう要望。外国人人材の受け入れを進めるための施策強化も求めた。

 

同時に、オンライン会議システムを活用して一定のサービスを提供できる場合は、管理者や生活相談員などの常駐を求める配置基準を緩和すべきだとした。見守り機器を導入した場合の人材配置基準緩和も盛り込んだ。

 

このほか提言は、ケアマネジメントの利用者負担の導入や、特別養護老人ホームへの参入規制の緩和なども盛り込んだ。

 

また、介護保険の利用者に対しては、負担の見直しを求めた。単身世帯の場合、現行制度では自己負担は原則1割で、所得が年280万円以上なら2割となる。

 

提言は利用者の9割が「1割負担の枠内にとどまっている」と指摘。後期高齢者医療制度のように、2割負担となる利用者を30%程度まで引き上げるべきだとした。