介護・障害の月額6000円賃上げへ 政府、補正予算閣議決定

2023年1118 福祉新聞編集部

政府は10日の閣議で、物価高に対応した経済対策を裏付ける2023年度補正予算案を決定した。一般会計の歳出は13兆1992億円。介護職員らの賃金を2%程度(月額で約6000円)引き上げる経費は約539億円に上る。都道府県を通じ、24年2~5月の賃上げ分を支給する。開会中の臨時国会に提出し、11月中の成立を目指す。

 

539億円の内訳は介護保険事業所の介護職員分が364億円、障害福祉サービス事業所の職員分が126億円、医療機関の看護補助者分が49億円。常勤職員数に応じて賃上げ分を施設に支給する。

 

それぞれ24年度の報酬改定で6月以降の恒久的な措置を目指し、年末の予算編成過程でさらに議論する。

 

全国老人保健施設協会などの調査によると、今年の春闘の平均賃上げ率は3・58%だったのに対し、介護職員は1・42%で大きく下回る。

 

政府はその差に当たる約2%を補正予算で埋める方針。現在の「福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算」に上乗せする。物価高騰を受けて他業種で賃上げが相次ぐ中、介護業界からの人材流出も深刻化しており、関係団体が処遇改善を強く要望していた。

 

介護事業所や障害福祉事業所における光熱水費の高騰については、既存の重点支援地方交付金(内閣府)を積み増し、都道府県が各事業所に補助することで負担を減らす。