補正予算で処遇改善を 福祉懇談会で要請〈全社協〉

2025年1019 福祉新聞編集部
村木会長

全国社会福祉協議会は15日、灘尾ホール(東京都千代田区)で福祉懇談会を開催した。全国の社会福祉法人や社協の関係者、国会議員、中央省庁の幹部ら250人以上が参加。全産業平均と福祉分野で働く職員の賃金差が広がる中、現場からは早急な処遇改善などを要請した。

懇談会は例年この時期に、福祉関係者が国会議員に直接要望を伝える場として10年前から開催。開会にあたり村木厚子会長は「社会構造の変化が大きい中、共に生きる豊かな地域社会という変わらぬテーマを追い続けるのが福祉関係者に与えられた使命だ」と強調。「これまで以上に外の関係者とつながり、地域に必要な支援を新しく生み出したい」と決意を述べた。

続けて、全国社会福祉法人経営者協議会の磯彰格会長が、2024年度における全産業の平均月収が38万6000円だったのに対し、介護は8万3000円、障害は7万8000円、保育は5万7000円低かったと説明。今後も格差は広がると危機感を示し、補正予算による早急な処遇改善と、全産業の賃上げに連動する報酬改定の仕組みを求めた。

このほか、建築工事費を含む物価高騰への対策拡充も要望。地域医療介護総合確保基金の介護施設整備に関する未執行額が22年度までの7年間で、1383億円に上ることから、障害やこども分野でも活用できるよう柔軟な運用を求めた。

また、全国民生委員児童委員連合会の得能金市会長は12月の一斉改選を踏まえ、活動の広報などを要望。地域福祉推進委員会の越智和子委員長は、社協職員の正規化や増員などに向けた財源措置を訴えた。

会場には福岡資麿厚生労働大臣や坂井学防災担当大臣のほか、社会福祉推進議員連盟の衛藤晟一会長、元厚労大臣の田村憲久衆院議員ら多くの国会議員が駆け付けた。

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