社保審会長に遠藤久夫氏が再任 人材確保に意見続出

2025年0208 福祉新聞編集部
約1年ぶりに開かれた社保審 

厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会が3日に開かれ、遠藤久夫学習院大学長が再任された。会長代理には菊池馨実早稲田大教授が就いた。遠藤氏は同審議会医療部会の会長。菊池氏は同審議会年金部会、医療保険部会、介護保険部会、障害者部会、生活困窮者自立支援及び生活保護部会の会長だ。

同審議会の委員は会長と会長代理を含め27人。同日は今国会で審議される年金、医療の制度改革について委員が意見を述べた。年金については、被用者保険の適用拡大に伴い、現役世代の保険料負担が重くならないよう求める意見が挙がった。

医療・介護については生産年齢人口が減り、今後さらに担い手不足が深刻になるとする意見が続出。少ない人手でサービス提供を維持する生産性の向上が喫緊の課題との見方が大勢を占めた。

一方、税や保険料の負担を増やしてでも人材を確保してサービス提供体制を維持・拡充すべきだとする立場は多くない。

そんな中で松原由美早稲田大教授は、社会保障の抑制路線に異を唱え、医療・介護・福祉は街づくりの重要な資源でもあることを強調した。日本の消費税率が海外と比べ低い点も指摘した。