児童福祉事業の倒産最多 24年は30件、負債額も最大

2025年0131 福祉新聞編集部

2024年の児童福祉事業の倒産が前年比20%増の30件となり、05年以降で最多となったことが10日、東京商工リサーチの調査で分かった。児童福祉事業は児童発達支援センター、放課後等デイサービス、放課後児童クラブ、児童養護施設などを指す。

負債総額は79億3800万円。前年の11億6500万円から約7倍に増えて最大となった。負債額が膨らんだのは児童発達支援事業の運営大手「コペル」が24年5月に民事再生法の適用を申請し、負債総額が約69億円だったことが影響した。児童福祉事業における最大規模の倒産だった。

倒産件数の推移をみると5年前の19年(7件)より約4倍増えた。児童福祉事業は小資本でも参入できる一方、少子化により利用者の獲得競争が激化しているとみられる。

30件の倒産の法人種別は株式会社18、合資会社7、一般社団法人4など。倒産の理由は販売不振が17件で最多。障害児給付費の不正受給などコンプライアンス違反や、コロナ禍、人手不足など複合的な原因もみられた。

東商リサーチが児童福祉事業の倒産状況を調べたのは初めて。今後の動向について、物価高や人件費の高騰などにより倒産の増加傾向が続くと推察している。