医師偏在で対策決定 26年度、施行する方針
2025年01月16日 福祉新聞編集部厚生労働省は12月25日、医師偏在を是正するための対策パッケージを決定した。都心などでの新規開業の規制強化や、医師不足地域の病院への経済的支援などを組み合わせる。今月下旬からの通常国会で医療法など関連法の改正を目指す。診療報酬改定を経て、2026年度に施行する方針。その5年後に対策全般を見直す。
新規開業に要件
外来診療の医師が多い地域では、新規開業を希望する医療機関に都道府県が地域医療に関する機能を確保するよう要請できることとする。要請に応じない場合は、保険診療を行える医療機関としての指定を通常の半分の3年とする。
医師の少ない地域では診療所の承継や開業などを支援する。医師不足地域で働く医師の手当増額を実施し、財源として保険者からの拠出を充てる。
診療報酬改定の過程で検討し、保険料は上がらないようにすることを昨年末の予算編成で財務省と合意した。
全国の医師の総数は増えており、22年末で約34万人。厚労省は、現在は医師不足だとみるが、29年ごろには医師が約36万人になって需要と均衡すると推計する。
現在は東京都、京都府、福岡県などは相対的に医師が多く、岩手、青森、新潟県などは少ない。昨年9月、武見敬三厚労大臣(当時)は「医師の偏在是正は待ったなしの問題だ。この解消なしに国民皆保険制度を維持することはできない」と述べ、省内に対策本部を設置していた。