訪問介護の廃止事業所が増加 介護給付費分科会
2024年12月29日 福祉新聞編集部厚生労働省は12月23日、社会保障審議会介護給付費分科会を開き、全国の介護サービスの提供体制に関する調査結果を公表した。2024年6~8月において、休止または廃止した訪問介護事業所は563カ所で、前年度より45カ所増えていた。
調査は24年9月、全都道府県、市区町村を対象に実施。6~8月の3カ月における介護サービスの状況などについて聞いた。
休止・廃止の事業所をみると、訪問介護は前年度より45カ所増の563カ所。理由は人員不足が最多だった。
訪問介護については、24年度の報酬改定で基本報酬が引き下げられた。その影響などにより昨年を上回るペースで倒産件数が増えているという民間会社の調査もある。
ただ、今回の厚労省調査では、同期間の新規開設・再開数が583カ所に上っている。そのためトータルでみると、前年度より20カ所増えている結果となった。
一方、通所介護の休止・廃止は212カ所で、前年度より19カ所増加。訪問看護の休止・廃止も74カ所増の414カ所だった。福祉用具貸与と特定施設入居者生活介護については、休止・廃止数が減っていた。
このほか厚労省は介護報酬改定の地域区分を国家公務員の地域手当区分に合わせて見直す考えを示した。
人事院は24年8月、国家公務員の地域手当について従来の市町村単位から都道府県単位を基本とし、7区分から5区分へ再編するよう勧告。25年度から段階的に支給割合の引き下げや引き上げが行われる予定となっている。
会合では「地域区分の変更は事業者の収入や介護保険料などにも影響がある。次期介護報酬改定に向けて保険者である市町村の意向を踏まえた丁寧な議論をお願いしたい」(全国知事会)などの声が出た。