人材確保でセミナー 9法人の若手職員語る(北海道)

2024年1116 福祉新聞編集部

「福祉の〝リアル〟が聞けるセミナー2024」(同実行委員会主催)が2日、札幌市厚別区の商業施設「Bivi新さっぽろ」で開かれた。

札幌市近郊の新篠津福祉会、はるにれの里、生振の里など九つの社会福祉法人の若手職員が、福祉現場での様子や、仕事のやりがいについて語った。学生ら約50人が参加した。

職員と学生のトークセッションでは、勤務して2~10年ほどの職員5人が毎日の仕事の様子などを語った。余暇活動に特化した事業所に勤務する加藤百萌花さん(はるにれの里)は、「この業界に入ってよかったというのが正直な実感で、今後は障害者の就労も支援したい」と話した。ほかの職員も「利用者がありがとうと伝えてくれたり、朝、自分の出勤を待っていてくれたりしたときには、やりがいを感じる」。仕事がスケジュール通りに進まないときや、利用者の急な体調の変化など「大変なこともあるけれど、今は楽しい」と次々に充実した仕事であることを伝えた。

また、学生から「今のうちに身につけておいた方がいいことは」という質問に対して千葉ゆかさん(北海長正会)が「知らないこと、分からないことは不安だが、焦らずに経験を重ねてからでいいのでは」と話し、高橋周利さん(新篠津福祉会)は「上司や利用者さんが必ず助けてくれる」「この業界で働く人は優しい」と自らの経験を語り、福祉を目指す学生たちの心配を和らげた。

セミナーを傍聴していた障害者施設の施設長は「まず、興味を持ってもらうことが大切」「商業施設のように多くの市民が集まる場所で、若手職員がリアルな声を届けることは、福祉のイメージ向上につながるはず。今後も継続してほしい」と期待を込めた。