「在宅」の機能を報告 介護施設も調整会議に〈地域医療構想〉

2024年1122 福祉新聞編集部

2040年を見据えた新たな地域医療構想について、厚生労働省は8日、医療機関が都道府県に報告する機能に「在宅医療連携」を位置付ける考えを同日の「新たな地域医療構想等に関する検討会」(座長=遠藤久夫学習院大学長)で明らかにした。

今後は多くの地域で救急搬送される高齢者が増え、早期の退院を促すことから、在宅医療や介護の需要が増えるとみる。退院後の高齢者のケアを担う機関として、診療所だけでなく病院や介護施設にも期待を寄せる。

これまでの地域医療構想は病床の機能(急性期、慢性期など)を都道府県に報告し、医療ニーズに対する過不足解消を図ってきた。新しい地域医療構想では病院、診療所の果たす機能も明確にして再編や連携を促す。

医療機関の再編を話し合うエリアごとの調整会議には、介護施設が参加することも想定する。精神医療も含めた構想とする方針で、精神科病院から退院した患者の生活を支える障害福祉サービス事業所も調整会議のメンバーになり得る。

地域医療構想は、高齢化や人口減少、医療需要に応じて地域ごとに医療機関を再編・統合する道筋を描いたもので、都道府県が策定する。厚労省は40年を見据えた新しい構想を27年度から進めるため、その考え方を年内にまとめる。