認知症と障害者のGH併設 共に暮らし交流(洗心福祉会・三重)

2024年0826 福祉新聞編集部

社会福祉法人洗心福祉会(山田純大理事長)は、三重県志摩市の認知症グループホーム(GH)に併設して障害者GHを開設した。閉鎖した小規模多機能型居宅介護事業所(小多機)を転用したため居室(定員5人)にはナースコールがあり、バリアフリーで機械浴も備わっている。

施設の総称は「グループホームだいおうシルバーケア豊壽園」。両GHの併設は県内初だという。食堂で一緒に食事をするなど高齢者と障害者がともに暮らすコミュニティーを創り出す。

小多機は2008年4月に市内で初めて開設したが(ほか2カ所も同時開設)、採算が取れず22年10月に閉鎖。月額包括報酬で、報酬の高い要介護3以上の高齢者は特別養護老人ホームに入所し、サービス付き高齢者住宅など地域の社会資源が増え、利用者が減ったことが要因だ。

閉鎖後、再建に向けて認知症デイサービスを始め、法人では障害者GHを運営しており、改修工事をせずに小多機の宿泊室を活用できることから障害者GHを開設することにした。障害者GH管理者の内山仁志さんは「障害者と認知症の母親が一緒に住めれば安心できる」と利用者目線も重視したという。

職員は両GHで13人。認知症GHの介護職員と障害者GHの世話人を兼務する。法人内で障害者支援研修も行った。管理者は2人おり、それぞれケアマネジャーと近隣特養の施設長を兼務する。

すでに障害者GHの入居相談もあり、内山さんは「年内に定員を満たすのが目標」と話す。両GH併設という初の試みが軌道に乗れば法人内で展開することも視野に入れている。