東京都地域公益活動推進協議会が地域貢献のヒント集 4法人の事例、ウェブで公開

2024年0514 福祉新聞編集部
こども食堂で食事を楽しむこどもたち

東京都社会福祉協議会内に設置し、1034の社会福祉法人が会員として参加する東京都地域公益活動推進協議会は、地域貢献を進めるためのヒント集「つながる つつむ地域とくらし」を作成し、同会ホームページ(HP)で公開した。

ヒント集は4法人の実践事例を紹介。1982年に設立し、東京都町田市を中心に練馬区、文京区で介護事業を展開する社会福祉法人福音会(同市)では2017年から、こども食堂「ふくちゃん食堂」を開催している。

軽費老人ホーム「町田愛信園」や特別養護老人ホーム「福音の家」が一体化した複合型介護施設(町田市野津田町)内で地元こども会の活動場所を提供してきたが、活動を続ける中で、ほかにも地域のために何かできることはないか検討。民生委員や同市社協とこどもの笑顔につながる地域貢献を模索した結果、こども食堂を始めることにした。

こどもが参加しやすいことを一番に考え、施設近くの一軒家を借りて毎月第2、4水曜日夕方に開催している。参加費は1人300円。

こども、保護者を含めておよそ15人が訪れ、食事の前後には近くの公園で遊んだり、宿題をしたりして思い思いに過ごす。コロナ禍では弁当の配布に切り替えて継続した。

法人職員が数人常駐するが、運営の主役は地元ボランティアで調理や配膳、見守りなどを担っている。食材の多くは寄付で寄せられたもので、東京都などの補助金も活用して法人負担を抑えている。

福音の家の戎めぐみ施設長は「こどもの居場所にとどまらず、ボランティアとして参加する高齢者の生きがいにもつながっている。将来、法人施設がある市内の他エリアにもこども食堂を開きたい」と話している。

ヒント集ではこのほか、社会福祉法人三育ライフ東京事業所、多摩同胞会、武蔵野会の事例が紹介されている。