通所介護の半数が赤字 福祉法人はより深刻(医療福祉機構)

2024年0316 福祉新聞編集部

通所介護事業所の収益率が下がり半数の事業所が赤字で、株式会社などの営利法人よりも社会福祉法人などの非営利法人の事業所の方がより厳しい経営状況にあることが、福祉医療機構(WAM)の分析で分かった。

 

2022年度決算における通所介護事業所の収益率は前年度比1・5ポイント減の0%で、赤字事業所の割合は3・1ポイント増の49・6%だった。WAMは経営悪化の要因として利用率の低下と水道光熱費の上昇を挙げている。

 

利用率は2ポイント減の68%。コロナ禍で利用控えなどの影響を受けた20年度より低い水準となった。一方、水道光熱費率は5・3%で、物価高の影響により0・8ポイント増えた。

 

経営主体別では、営利法人の収益率は4・4%なのに対し、非営利法人はマイナス0・6%。赤字事業所の割合も営利法人は35・6%だが、非営利法人は51・8%だった。

 

詳細をみると、営利法人は利用率が74・1%で非営利法人の67・1%より7ポイント高く、利用者単価(利用者1日当たりサービス活動収益)も非営利法人より510円多かった。営利法人の事業所はニーズの大きい都市部にある割合が高く、基本報酬に上乗せ分があるとみられる。

 

人件費率も営利法人は58・1%なのに対し、非営利法人は70・7%で大きな差があった。要因としては会計基準の違いや常勤・非常勤職員の割合などが関係していると推察される。