国家公務員の月給1万5014円増 職員確保へ大幅引き上げ〈人事院勧告〉

2025年0823 福祉新聞編集部

人事院は8月7日、内閣と国会に対し、2025年度の国家公務員の月給を前年より1万5014円引き上げるよう勧告した。ボーナスは4・65カ月分とする。これにより本省で働く40歳室長の年収は初めて1000万円を超えることになる。

厳しい人材獲得競争を背景に人事院は、今年から官民給与を比較する対象の企業規模を、50人以上から100人以上に引き上げた。さらに本省の場合、東京23区に本店のある1000人以上の企業規模とした。

勧告は国家公務員の月給を前年比3・62%増となる1万5014円引き上げるよう要請。ボーナスも年4・6カ月分から年4・65カ月分とした。3%を超える引き上げは34年ぶりで、国家公務員の平均年収は714万3000円となる。

初任給については、大卒の総合職と一般職で1万2000円、高卒の一般職で1万2300円と5%以上引き上げる。これにより地域手当なども含めた初任給は、本省の大卒総合職で30万1200円、年収は494万2000円となる。

一方、本省の職員の手当も増額。管理職には月5万1800円、課長補佐級に月1万円、係長級以下に月2000円を支給する。これにより本省の40歳室長の年収は1089万6000円、50歳の課長だと1447万3000円となる。

人事院の川本裕子総裁は会見で「給与改定が優秀な人材の確保と職員のさらなるモチベーション向上につながり、より一層高いパフォーマンスを発揮することを期待したい」と述べた。また、選ばれる組織になるにはブランディングも重要だとして、7月に34府省などで働く約130人による横断チームを発足させたと紹介。今後、公務の魅力発信に取り組む考えを示した。

人事院勧告は、国家公務員の給与水準を民間と均衡させることを基本に毎年8月に実施している。法的な拘束力はないものの、地方自治体や福祉現場への波及効果は大きい。

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