「人生会議」で終活学ぶ 〈千葉市あんしんセンター〉
2025年08月19日 福祉新聞編集部
千葉市あんしんケアセンター磯辺・浜田出張所などは7月29日、打瀬公民館(同市)で、地区の住民を対象にした「終活・人生会議講座」を開催した。一般社団法人で高齢者等終身サポート事業を行う社会福祉士の岡江晃児さんが終活の課題と解決策などを語った。
「日本人の4人に1人は認知症になる。意思疎通できるうちに、どんな最期を迎えたいかを決めることが重要」。岡江さんがこう話すと、参加者らはうなずいた。
人生会議は、万が一に備えて自分がどんなケアを望むかなどを、家族や福祉関係者と話し合う取り組み。厚生労働省が2018年から普及させている。同センターは地域包括支援センターとして、地区ごとに催しを開いている。
登壇した岡江さんは、医療機関や行政などでの勤務を経て現在、法律事務所が設立した一般社団法人愛の会(同市)で、身元保証や死後事務などをしている。
講座では、そんな経験を踏まえ身寄りのない場合の課題として、介護施設入所時の身元保証や金銭管理などを紹介。また、葬儀の手配や遺品整理など死亡後の手続きなどの問題も紹介した。
解決策の一つとして岡江さんはエンディングノートの活用や、金銭管理、死後事務を行う高齢者等終身サポート事業などについて紹介。その上で「行政や社会福祉協議会、住民など町全体で身寄りがなくても安心できる地域づくりが必要」と語った。
民間団体の試算によると、身寄りのない高齢者は24年に286万人だったが、50年には448万人と1・5倍に増える。そのため、厚労省は今後、社会福祉法を改正し、サポートを強化する方針だ。
同センターの清水直美所長は「講座の定員が埋まるほど終活相談のニーズは高い。今後もこうした講座を開きたい」と話した。