ケアマネジメントの有料化 所得に応じ負担する案〈厚労省介護保険部会〉
2025年12月01日 福祉新聞編集部
厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会(部会長=菊池馨実早稲田大理事)が11月20日に開かれ、ケアマネジメントの有料化について議論した。現在、無料となっているケアプランに関して、厚労省は利用者の所得状況に応じて負担することなどの案を示した。
ケアマネジャーのケアプラン作成費用は、要介護者が積極的にサービスを利用できるようにするため、介護保険制度の創設時から10割給付となっている。ただ、政府が閣議決定した全世代型社会保障構築に関する改革工程には、2027年度までにケアマネジメントの給付の在り方について結論を出すことが盛り込まれている。
これまでの議論では、「負担増に伴うサービスの利用控えが起き介護状態が重度化する」「ケアマネジメントを経ずに介護サービスを利用する人が増えると、サービスが過度に利用され、逆に介護給付費が増加する」などと慎重な意見が根強くある。一方で「ケアマネの人材確保に向けて利用者負担を求めてもよい」といった意見もある。
そうした中、厚労省は同日の会合でケアマネジメントの利用者負担に関して、利用者の所得状況に応じて決める案を提示した。
同時に関連団体の居宅介護支援事業所を通じて、提供される居宅サービスが事実上決まっていることなどを理由に、住宅型有料老人ホームの入居者には利用者負担を求める案も示した。
また、現場の負担となっている給付管理業務については、必ずしもケアマネが行わなければならない業務ではないと指摘。ICT(情報通信技術)による業務効率化が十分に進展するまでの間、事務に要する実費分を利用者負担として求めることも提案した。

