連帯保証人のリスク減 介養協が介護福祉士修学資金で新制度
2025年05月27日 福祉新聞編集部
日本介護福祉士養成施設協会(介養協、澤田豊会長)はこのほど、養成施設で学ぶ学生が都道府県社会福祉協議会から授業料など修学資金を借りる制度に関連し、連帯保証人となる社会福祉法人のリスクを減らすサービスを導入した。
法人が保証会社にあらかじめ保証料を支払い、学生が修学資金を返済しなかった場合の法人負担を保証会社がカバーする。
10法人が申し込み
4月から受け付けを始め、5月15日までに10法人から申し込みがあったという。介養協は「このサービスは、連帯保証人になるのをためらう介護施設の声を受けた保証会社によるもの。連帯保証人の不安を減らし、修学資金を借りて学ぶ学生が増えてほしい」としている。
最大170万円を保証
新サービスの名称は「修学資金保証制度」。連帯保証人になる法人は、学生1人につき年間2万7000円を保証会社に7年間支払う。連帯保証人に支払い義務が発生した場合、新サービスは最大170万円を保証する。
学生が社協から修学資金を借りるには連帯保証人が必要だ。卒業後、介護・福祉の仕事に継続して5年間従事すれば返済が免除される。この要件を満たさない学生の返済が滞ると、社協は連帯保証人に支払いを求める。
介養協によると、養成施設が学生に介護施設を紹介し、介護施設を運営する法人は学生が卒業後、介護施設の職員になることを期待して連帯保証人になる例が多いという。
主に留学生を想定
連帯保証人は個人でもなれるが、日本国籍を持つことが条件だ。外国人留学生の場合、祖国の親などは連帯保証人になれない。法人が連帯保証人になるのは主に留学生の場合で、その学生が卒業後すぐに帰国すると法人は返済リスクを負う。
新サービスは保証会社のイントラストと三井住友海上火災保険が開発した。連帯保証人になる法人は介養協に登録し、介養協は複数の連帯保証人の代理としてイントラストと保証契約を結ぶ。
養成施設の数は2022年4月現在356校で定員は1万5203人。入学者はその半分の7679人で、留学生は約3割の2117人。22年度に新規で修学資金を借りた学生は4068人で、そのうち1788人が留学生だった。