外国人育成就労制度、省令案の意見募集 27年4月施行、地方への配慮施策も
2025年05月08日 福祉新聞編集部
外国人の技能実習制度に代わって創設される育成就労制度について、出入国在留管理庁などは詳細を定める省令案に関して5月27日まで意見公募(パブリックコメント)を実施している。育成就労制度の施行予定は2027年4月。原則3年の在留期間で働きながら技術を習得してもらい、特定技能1号の水準まで育成する。1~2年働けば本人意向の転籍ができる。
地方への配慮施策として、東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県(一部の市町村除く)を都市圏とし、地方より受け入れを制限する。転籍者の受け入れは、地方の施設は雇用する育成就労外国人の3分の1以下とし、都市圏の施設が地方から受け入れる場合は6分の1以下とする。地方では施設も監理支援機関も優良な場合、通常より3倍多く受け入れることを認める。
転籍前の施設だけが来日渡航費などの初期費用を負担する不平等をなくすため、育成就労外国人が転籍するまでの期間が短いほど転籍先の施設がより多くの費用を負担する仕組みを設ける。負担額は半年刻みで算出する。
受け入れ施設には育成就労外国人が特定技能1号への移行要件である日本語能力試験N4に合格できるよう、日本語を100時間以上学ぶ機会の提供と費用の負担を義務付ける。地方などではオンライン受講を認める。
技能実習制度の監理団体は、育成就労制度の監理支援機関として新たに許可を得る必要があり、許可基準が厳格化される。役職員1人当たり受け入れ施設は8カ所未満、育成就労外国人は40人未満とする。
省令は夏に公布予定で、受け入れ分野や人数、転籍ができる年数などについて定める分野別運用方針は12月ごろ閣議決定され、26年は準備期間となる。