災害時の福祉支援拡充 ボラ団体との連携も強化 改正法案を閣議決定
2025年02月23日 福祉新聞編集部
政府は14日、能登半島地震での課題を踏まえ、災害対策基本法などの改正案を閣議決定した。福祉支援の拡充や災害ボランティア団体との連携を強化することが柱。高齢者や障害者を支援する「災害派遣福祉チーム(DWAT)」の活動を避難所以外に広げる。
現行法では活動範囲が避難所に限られているため、自宅や自家用車内での避難を余儀なくされた高齢者らに必要な支援が届きにくいことが問題だった。今回、災害対策基本法、災害救助法それぞれに「福祉サービスの提供」を明記する。
長引く避難生活による災害関連死を減らすため、生活環境が悪化しないようにする。坂井学内閣府防災担当大臣は14日の会見で「高齢者、障害者ら要配慮者への支援をさらに充実していただきたい」と述べた。
また、災害ボランティア団体の活動内容などを事前に国に登録する制度も創設する。市町村が登録団体に被災者の個人情報を提供できるようにするほか、炊き出しなどを行った登録団体に実費を支払えるようにする。
内閣府が登録団体の情報をデータベース化し、市町村が平時から登録団体と連携するよう促す。災害発生時、迅速に被災者支援に当たることができるようにするのが狙いだ。
法案が成立した場合、施行は公布から3カ月以内。登録制度について坂井大臣は「夏の出水期前には開始できるよう準備したい」と語った。