重度障害者安心宣言GHを周知 埼玉県の独自登録制度

2024年0623 福祉新聞編集部
障害者GHいぶき寮の利用者と談笑する熊坂さん(左)

埼玉県は2022年度から「彩の国重度障害者支援・あんしん宣言グループホーム」制度を独自に行っている。重度障害者が安心して暮らせるグループホーム(GH)を登録・公表することで、入所施設や在宅から移行しやすくする。現在10の法人が登録され、今年も6月末まで登録申請を受け付けている。

24年3月末時点で県内(さいたま市など5市除く)に472のGHがあるが、中等度の障害者を対象とするところが多い。そのため、重度障害者を受け入れていることを知ってもらい、住まいの選択肢の一つとして示す狙いがある。

登録は6年以上運営しているGHで、人員・支援体制と設備について重度障害者の受け入れ体制が一定の基準を満たす必要がある(重度障害者支援加算を取得しているなど)。登録期間は3年間。登録マークを使用することができ、県のホームページでも周知される。

意思を尊重し対応

登録法人の一つ、同県坂戸市の社会福祉法人ありす福祉会(佐藤澄子理事長)は六つのGHを運営している。それぞれ特徴があり、法人全体で多様な障害者を受け入れられるようにしている。強度行動障害支援者養成研修を受けた職員が14人いるなどスキルアップにも力を入れている。現在、利用者は計43人おり、あんしん宣言後に増えたという。

熊坂裕・グループホームかのんサービス管理責任者は「重度だからGHを利用できないのではない。支援を受けて自立して生活できる」と話す。GHは家庭的で、利用者の意思を尊重し、その人の能力に合わせた、きめ細かい対応ができることも特徴に挙げる。