処遇改善、物価高対策を 福祉法人政治連盟が要望

2023年1114 福祉新聞編集部
報酬改定に向けて結束する参加者

報酬改定が目前に迫る中、全国社会福祉法人政治連盟(櫛田匠会長)は6日、都内で集会を開いた。地域を支える福祉のエッセンシャルワーカーの処遇改善と物価高対策を求め、一丸となって活動していく決意を改めて共有した。

 

集会では自民党・社会福祉推進議員連盟の衛藤晟一会長が国政状況を報告。「まずは今年度の補正予算で対応しなければならない」と理解を示し、「報酬改定はインフレを想定しておらず、物価や人件費が上がることが組み込まれていない」と説明した。

 

福祉と全産業平均の賃金差は縮まってきたが、今年の春闘が3・58%増となったことで再び差が広がり、介護で8万1000円、保育で5万5000円の開きとなった。

 

また、社会福祉法人の昨年度の収支差率は0・23%(前年度比1・11ポイント減)、赤字法人の割合は46・8%(8・8ポイント増)。物価高の影響で1施設当たり年平均940万円の負担増となったが、補助金は平均160万円にとどまった。

 

櫛田会長は「社会保障は公定価格であり、価格転嫁できない。このままいけば持続可能性が損なわれる。エッセンシャルワーカーと言われるが、給料は上がらず、人材も確保できず、現場はさらに厳しくなる」と話し、全産業平均とそん色のない水準までの早急な処遇改善、介護・障害報酬のプラス改定、保育の公定価格の引き上げを求めた。

 

これに対し、衛藤会長は「改善しないと大変なことになると相当強くアピールしていってほしい」と鼓舞した。