補助犬法20周年、横浜で啓発イベント 未だ同伴拒否が後を絶たたず

2022年0914 福祉新聞編集部
介助犬と共に壇上で呼び掛ける西澤さん(中央)

 身体障害者補助犬法の成立から20周年となったのを受けた啓発イベントが9月3、4両日、横浜市役所1階の広場で開かれた。3日のオープニングトークでは、盲導犬、介助犬、聴導犬それぞれの使用者が登壇した。

 

 民間企業に勤める介助犬使用者の西澤陽一郎さん(46・千葉県)は「皆さんもある日突然、車いすでの生活になるかもしれない。そう考えながら今の生活を楽しんでほしい」と語り、自分の問題として補助犬のことを捉えるよう呼び掛けた。

 

 西澤さんは25歳の時、事故で脊髄を損傷。車いすでの生活となってからのある日、街中で介助犬を見つけた。すぐに自分も使用者になりたいと望んだ。

 

 使用者になってからは補助犬の周知を求めて首相官邸に出向くなど精力的に活動した。それでも補助犬の同伴拒否が後を絶たないことから「自分ごとと思ってほしい」と訴えている。

 

 イベントは日本補助犬情報センター(横浜市)が主催し、プログラムの一部は厚生労働省が共同で開催した。

 

 飲食店や公共交通機関など不特定多数が利用する施設での補助犬の同伴拒否を禁じた補助犬法は議員立法によって2002年5月22日に成立。拒否した施設に罰則はない。

 

 厚労省によると、今年4月の稼働数は盲導犬が848頭、介助犬が58頭、聴導犬が63頭。いずれも近年減少気味だ。

 

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