過去最多5042世帯が利用した「福祉除雪」とは〈札幌市〉
2022年03月17日 福祉新聞編集部この冬、記録的な大雪に見舞われた札幌市で障害、高齢者の自宅玄関前の雪を取り除く「福祉除雪」が活躍している。
札幌市社会福祉協議会が市の補助を受けて実施する福祉除雪は高齢者や障害者ら、自力で除雪することが難しい人の自宅を地域の協力員が除雪する事業。玄関先から道路に面した出入り口までを除雪する。原則1日1回、市の道路除雪が行われた日に実施する。
札幌市によると、今年度は5402世帯(3月1日現在)が利用している。事業が始まった2003年度以降、最多だった17年度(5312世帯)を上回った。作業を担う協力員は地域住民や企業、団体など。今年度は3391人が登録している。
札幌市中央区では昨年12月18日、24時間降雪量が55センチとなり観測史上最多を記録。さらに2月6日、60センチと最多を更新した。12月から2月にかけて札幌市には6度の大雪、暴風雪警報が出された。
大雪が続いたことで1月以降、福祉除雪の利用申請が相次いだ。需要の急増に対し、協力員1人当たりの担当世帯を増やすことで乗り切ったという。市の担当者は「今後、協力員だった人が高齢化により利用者になることも考えられる。継続的に協力員を確保していくことが課題。多くの市民に参加してもらいたい」と話した。
1シーズンを通して活動した協力員には、1世帯につき2万1000円の協力員活動費が支払われる。
昨年度の利用者、協力員へのアンケートでは、約9割が「よかった、どちらかといえばよかった」と回答している。