生活保護世帯の大学生、1校のみ受験が7割(厚労省調査)
2024年07月24日 福祉新聞編集部厚生労働省は6月27日、「2023年度生活保護世帯出身の大学生等の生活実態の調査・研究」の報告書を発表した。生活保護世帯のこどもの大学などへの進学を含めた、自立支援を検討するための調査で、前回は17年度を対象に実施した。
調査対象は生活保護世帯出身のうち、調査基準日(23年4月1日)時点で大学、短期大学、専修学校、各種学校に在籍しており、生活保護世帯と同居している人。回答数は947件だった。
結果によると、大学などへの進学を検討し始めた時期は高校3年の時が32・6%と最も高く、進学に当たって家族からできるだけ経済的な負担がかからないよう話をされたケースは37・9%だった。
経済的な理由で進学を反対されたケースは4・4%。また、受験する学校数は「1校(1学部)のみ」の割合が75・5%と最も高かった。
進学後、出身家庭から学費や生活費の援助を受けていない割合は74・6%で、進学した人のほとんどの95・4%が奨学金を利用していた。
一方、学生生活に関する悩みのうち「経済的に勉強を続けることが難しい」は、「あまりない」「まったくない」と感じている割合が63・1%で、前回調査時(57・1%)よりも増加したことが分かった。
卒業後も親と同居するかの設問では、同居しない予定(43%)が同居継続(26・5%)を上回った。