5歳児健診でモデル事業 就学前の発達を確認(岩手・大船渡市)
2024年07月03日 福祉新聞編集部岩手県大船渡市は今年度、5歳児健康診査のモデル事業を認定こども園4カ所で実施する。法律に基づく健診では3歳児健診が終わった後、就学時健診までおよそ3年の空白期間が発生する状況を踏まえ、5歳児の発達状況などを確認して就学よりも前に必要な支援につなげられるようにする狙い。市によると県内自治体では初めての試みだ。
市内の大津小児科ファミリークリニックの大津修院長が市に提案して実現した。モデル事業は盛、いかわ、立根、末崎の4こども園で実施し、年度内に満5歳になる園児は計約80人。
保護者には事前に生活習慣や、「カッとなったり、かんしゃくを起こしたりすることがよくある」といったこどもの様子を把握するための問診表に記入してもらう。
健診は大津院長が各園を訪問して園児のコミュニケーション能力や運動に関する発達を確認する。健診後、大津院長と市、こども園の職員でカンファレンスを実施して健診結果は書類で通知する流れだ。2次診察が必要な場合は結果説明会に案内する。
市こども家庭センターの担当者は「こどもの得意なこと、苦手なところを保護者や保育者と共に気づき、小学校入学前から支援の手立てを考えられる」と話した。他の保育施設も含めた今後の実施については検討していくという。