「上を向いて歩こう」を合唱 津久井やまゆり園で追悼
2026年08月02日 福祉新聞編集部
神奈川県立の障害者支援施設「津久井やまゆり園」(永井清光園長、相模原市)の殺傷事件の犠牲者を追悼する集会が7月23日、同園体育館で開かれた。施設利用者の権利を定めた「あおぞら宣言」(6カ条)を園の利用者らが読み上げたほか、約230人の参列者全員で「上を向いて歩こう」を合唱した。
指定管理者として園を運営する社会福祉法人かながわ共同会(山下康理事長)と神奈川県知的障害施設団体連合会(出縄守英会長)が主催した。同連合会は事件後、7月26日を「やまゆりの日」と定め、例年追悼行事を開いてきたが、同園で開くのは初めて。
今年は事件から10年。県内の施設職員だけでなく、園や他施設の利用者も集まった。坂本九の名曲と「あおぞら」を重ねつつ、「希望を持って前向きに暮らしていることを発信したい」(山下理事長)と企画した。
あおぞら宣言は同連合会がつくったもので園の体育館は事件直後、利用者が約1カ月寝起きした場所だ。利用者らは10年前をしのびながら「一人の人間としてみてほしい」(第1条)などと宣言を読み上げた。
ダウン症の書家、金澤翔子さん(41)も揮毫に訪れ、「みんなハッピーに!」と激励。「愛」の字を書き上げると大きな歓声に包まれ、得意のダンスも披露した。
事件は2016年7月26日未明に発生。元職員の植松聖さとし死刑囚が刃物で19人を殺害、26人にけがを負わせた。県は21年、園を二つに分けて建て替えた。
犠牲者の刻銘11人に
事件後、遺族の希望により19人は匿名とされたが、21年7月に完成した慰霊碑の献花台に名前が刻銘される人が徐々に増えた。7月16日には1人追加され計11人になった。献花台には18本のやまゆりの花の絵も彫られている。1人の遺族が同意しないため19本ではないが、県は26日、「10年を機に1本追加することが決まった」と公表した。

