18歳以降、更生医療受給2.7% 厚労省会議に中間報告

2025年0904 福祉新聞編集部

医療費の自己負担が軽減される育成医療を受給していた障害児が、引き続き治療が必要でも18歳以上を対象とする更生医療の受給が難しい課題について、8月21日に開かれた厚生労働省の有識者会議に調査研究の中間報告が示された。

国立成育医療研究センターなどがJMDC社の健康保険組合データベースから2019年1月~24年3月分について一定の条件のもとで分析したところ、育成医療を受給していた16歳以上は781人。そのうち18歳以降に更生医療を受給していたのは21人で、わずか2・7%だった。21人の疾患は口唇口蓋裂(唇などに裂け目がある先天性疾患)が13人、歯科治療が3人など。同センターによると、こうした集計は初めてだという。

障害児が18歳以降も医療費を軽減されるには更生医療に移行する必要がある。しかし、更生医療の要件である身体障害者福祉手帳の取得などが障壁になり、軽減されないことがある。

育成医療の対象である口唇口蓋裂は、18歳を過ぎて骨格が成長してから治療が必要となる人もいるが、それまでに一定程度治療が進んでいると手帳の取得は難しく、軽減されないケースがある。有識者会議の委員で口唇・口蓋裂友の会の佐野智会長は「育成医療が長く使えるようにしてほしい」と話している。

調査研究では、17歳前後にどんな疾患に対してどういう治療が必要なのか、育成医療から更生医療に移行できた人数や、できなかった理由などについて分析を進め、年度内に最終報告が示される。

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