障害者就労支援で中級レベルの資格創設 厚労省、スキルアップの明確化
2025年03月10日 福祉新聞編集部
厚生労働省の「職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会」(主査=小川浩大妻女子大副学長)が2月27日に開かれ、障害者就労支援人材の新資格「障害者就労支援士」(仮称)の創設を柱とする報告書を取りまとめた。2025年度以降にモデル問題の作成や検証などを行い、早ければ27年度後半にも検定が始まる見込み。
新資格は、障害者雇用や就労支援に関する中級レベルの知識や技能を持つ人とする。受検できるのは、障害者就労支援の実務経験3年以上または職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修を修了し障害者就労支援に従事している人。障害者就業・生活支援センター、就労系障害者福祉事業所などで働く人が想定される。
検定は10科目の学科試験で行う。今後、関係者で設立する業界団体が検定を運営することを見込んでいる。将来的に国家資格化も視野に入れている。
民間企業で働く障害者が21年連続で過去最多を更新(約67万7000人、24年6月)し、精神障害者の雇用が増えるなど就労支援のニーズも多様化する中、障害者の就労を支える人材の量、質の不足が課題となっている。厚労省は検定を創設することにより、障害者就労支援人材の社会的な認知度を向上させ、人材確保や処遇改善につなげていく。
また、25年度から雇用と福祉の基本とスキルを学ぶ「基礎的研修」と、「ジョブコーチ養成上級研修」が始まる予定。それにより「基礎的研修」「ジョブコーチ養成研修」「障害者就労支援士検定」「ジョブコーチ養成上級研修」とスキルアップできるルートを作り、より円滑な人材育成につなげていく。