セルフヘルプの「力」発信 神奈川県社協支援事業20周年記念セミナー

2023年1126 福祉新聞編集部
セルフヘルプの可能性について話し合った

神奈川県社会福祉協議会はセルフヘルプ・グループ(依存症、精神障害、引きこもり、犯罪被害など生きづらさを抱える人たちの自助グループ)の活動を支援しており、2002年の事業開始から20周年を迎えたのを記念し、13日に横浜市でセミナーを開いた。

 

県社協はボランティアセンター内に専用コーナーを設け、相談室やロッカーの無料貸し出し、交流会や啓発イベントの開催、調査研究などを実施している。都道府県社協による、こうした支援は全国的にも珍しいとされ、当初10だった登録グループは57に増え、活動内容も多様化している。

 

同日は4グループがセルフヘルプ・グループの持つ「力」について発言。「悩みを打ち明け合い泣いた。それは悲しい涙ではなく、分かってくれることへの安堵あんどの涙だった」「当事者だからこそ言える『つらかったよね』の言葉で気持ちが軽くなる」「苦しい思いをしているのは自分だけではないと分かる」などと述べた。また「否定や批判をしないで生きづらさに寄り添ってほしい。間接的なサポートがあるとありがたい」と参加者に呼び掛けた。

 

県社協の支援については「公共施設なので安心して集まれる」など、匿名性が守られ、場所などが提供されることにより継続して活動ができているとされた。

 

記念対談では堀越由紀子・星槎大専任教授が「インターネットでつながり方も変わってきたが、直接会って話す親しい交わりがセルフヘルプ・グループの中核にある」と説明した。