給付適正化を強化 不適切ケアプラン点検(奈良県)
2025年03月13日 福祉新聞編集部
高齢化の進展に伴い介護給付費が増加する中、奈良県は来年度、介護給付の適正化や介護予防への支援を強化する。有料老人ホームにおける不適切なケアプランの点検を支援するなど、給付適正化に関する取り組みの来年度予算額は、今年度の3倍以上となる700万円となっている。
奈良県の人口は1999年をピークに減少し続けている。生産年齢人口(15~64歳)は減少し、高齢者人口の割合が年々高くなっている。2040年には高齢者人口がピークとなり、約44万人になると推計している。
県の第1号被保険者(65歳以上)1人当たりの介護給付費は年々増加。介護保険制度が創設された00年度は13万2000円だったが、23年度には倍以上の28万9000円になっている。
また、介護保険料について、県平均となる介護保険料基準額の推移をみると、第1期(00~02年度)は2859円だったが、第9期(24~26年度)には倍以上の6034円まで上昇している。
こうした現状や推計を踏まえ、県は介護予防の支援を充実させる。今年度中に作成する先進事例集を活用して自治体向け研修を開く予定だ。また、介護予防の取り組みは市町村で濃淡があるため、アドバイザーによる伴走支援などきめ細やかな個別支援も講じる方針だ。
介護給付適正化の支援も強化。来年度、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅における過剰なサービスを盛り込むなどの不適切なケアプランの点検について、市町村が専門家と共同して点検に当たれるよう県が支援する。