国会閉幕、経済対策へ 首相「低所得者に給付金」

2024年0629 福祉新聞編集部

第213通常国会が6月23日、閉幕した。政府が新たに提出した62法案のうち、少子化対策を強化する改正子ども・子育て支援法など61法案が成立した。法案成立率は98・4%だった。

岸田文雄首相は事実上の会期末に当たる21日の会見で、秋に経済対策を策定し、年金世帯や低所得者に給付金を支給することを検討すると表明した。8~10月には電気・ガス代の補助を追加で行うという。

また、元日に発生した能登半島地震に触れ「次の大規模災害を見据え、保健・医療・福祉支援の強化、政府の災害対応体制の強化について、法改正も視野に速やかに方針をまとめる」と述べた。

改正子ども・子育て支援法は、少子化対策の財源確保策として支援金制度を創設。公的医療保険に上乗せする形で2026年度から徴収する。

離婚後の共同親権導入を柱とした改正民法も成立した。未成年のこどもの親権者は、離婚後は父母の一方とした現行制度を77年ぶりに改める。このほか福祉関係で成立した法律は次の通り。

改正生活困窮者自立支援法=安定した住まいが必要な人に家賃を支援する「住居確保給付金」について、家賃の低い住宅への転居費用を補助する仕組みを設ける。

改正雇用保険法=パートタイム労働者の雇用保険加入を進め、育児休業給付を受け取れる対象を広げることで子育てを支える。

改正育児・介護休業法=こどもが3歳から小学校に入学するまでの間、テレワークなどの制度を二つ以上用意し、従業員が選べるようにする。

改正住宅セーフティネット法=居住支援法人が日常の見守りなどにより高齢者や障害者を支える「居住サポート住宅」を市町村が認定する制度を設ける。

改正技能実習法=人材確保と育成を目的とした在留資格「育成就労」を創設する。介護分野など労働力不足を外国人で補う。一定の要件を満たせば転職できる。

改正学校教育法=専門学校に単位制を導入し、大学に編入しやすくする。医療や福祉の人材育成の円滑化を図る。