外国人の育成就労制度創設 改正入管法など成立

2024年0623 福祉新聞編集部

外国人の技能実習制度に代わって育成就労制度を創設することを柱とする技能実習法、出入国管理・難民認定法などの改正法が14日、参議院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。労働力不足を補うため、育成就労制度は人材確保と育成を目的とする。原則3年の在留期間で最長5年働ける特定技能1号の水準までの育成を目指す。2027年までに施行される。

1993年に始まった技能実習制度は国際貢献を目的としているが、実態は労働力不足を補うために利用され、劣悪な労働条件などが問題となっているため、廃止される。在留資格は育成就労が新設される。新制度の施行前に来日した技能実習生には経過措置が設けられる。

育成就労制度の受け入れ分野は特定技能とそろえる。同じ職場で1~2年働き、一定の要件を満たせば転籍(転職)を認める。政府は基本方針や受け入れ分野別の運用方針を策定し、受け入れ見込み数を設定する。

技能実習の監理団体は「監理支援機関」となり、外部監査人の設置が義務付けられる。

不法就労に厳罰化

また、悪質なブローカー対策として不法就労させた場合などの罪を厳罰化する。今後、外国人労働者が増えることを見込み、税金や社会保険料を故意に支払わない場合などは永住許可を取り消せるようになる。

濵田和則・全国社会福祉法人経営者協議会外国人介護人材特別委員長のコメント

改正法は介護人材確保の必要性を踏まえ、外国人材のキャリアアップや地域共生を目指す趣旨からも評価している。一方で、一定の要件のもとで転籍が認められることから、地方部からの外国人材の流動化も想定され、各福祉現場で必要な定着が図られるよう、今後の制度設計を注視していきたい。