育成就労、27年にも開始 技能実習法を改正へ

2024年0328 福祉新聞編集部

政府は15日、外国人の技能実習を廃止して「育成就労」を創設するため、技能実習法、出入国管理・難民認定法などの改正法案を閣議決定した。同じ職場で1~2年働き、日本語と技能について一定の要件を満たせば転籍(転職)を認める。改正法案は国会に提出され、成立すれば2027年(公布後3年以内)にも新制度が始まる。

 

技能実習法の名称は育成就労法に改める。在留資格も技能実習に代わって育成就労が新設され、新制度開始前に技能実習生として来日した人には経過措置が設けられる。

 

技能実習は国際貢献が目的だが、実態は労働力確保のために運用され、低賃金や劣悪な労働などが問題となっていた。それを受けて、人材確保と育成を目的とする育成就労を創設し、一定の要件のもと転籍を認める。悪質なブローカー対策として不法就労させた場合などの罪を厳罰化する。

 

育成就労の在留期間は原則3年で、最長5年働ける特定技能1号の水準までの育成を目指す。受け入れ分野は特定技能とそろえる。政府は基本方針や介護など分野別の運用方針を示し、分野別に受け入れ見込み数も設定される。

 

技能実習の受け入れ窓口である監理団体は「監理支援団体」に代わり、新たに外部監査人の設置が義務付けられる。外国人技能実習機構も「外国人育成就労機構」に代わり、業務に転籍支援や1号特定技能外国人の相談支援を加える。

 

今後、外国人労働者が増えることを見込んで、永住許可について税金や社会保険料を故意に支払わない場合などは取り消せるようにする。在留カードは任意でマイナンバーカードと一体化できるようにする。