共同親権、現実とのギャップ懸念 野田元少子化相らが勉強会

2024年0219 福祉新聞編集部
勉強会の冒頭であいさつする野田元少子化担当大臣

離婚後も父母双方に子の親権を認める「共同親権」をめぐり、超党派の国会議員による「親権のあり方勉強会」が9日、初会合を開いた。

 

民法改正案の今国会提出を目指す法務省の説明に対し、発起人で自民党の野田聖子元少子化担当大臣は「(離婚する夫婦やそのこどもの置かれた)現実とはギャップがある」と懸念した。

 

要綱案は平時の発想によるものであり、DVや離婚といった生活環境の激変時に機能するとは限らないことを強調。渦中にいるこどもへの不利益を回避できる保証がない点を問題視した。

 

法務省の法制審議会の部会は、離婚後は父母一方の単独親権に限る現行法を見直し、父母が協議して選択できるようにする民法改正要綱案を1月30日にまとめた。

 

父母が合意できなければ家庭裁判所が判断する。DVや虐待の恐れがあれば、家裁は単独親権と定めなければならないとした。

 

同日の勉強会では法務省幹部が要綱案を説明し、夫の暴力を理由に離婚してこどもを育てる女性や、父親の暴力に苦しんだ女性がそれぞれの体験を語った。

 

勉強会は親権のあり方について「実態に合った正しい運用がなされるよう、慎重な議論を尽くす必要がある」(司会の大岡敏孝氏、自民)として発足。もう一人の発起人、福山哲郎氏(立憲民主)ら与野党から10人超の議員が出席した。離婚後の養育費の問題についても議論する。