救世軍、活動開始から130年 動画公開と11月に記念大会

2025年0908 福祉新聞編集部
山室軍平の写真や書物などを保管する資料館

結核療養所の運営や廃娼運動などをけん引した救世軍が、日本で活動を始めて130年を迎えることを受け、その歩みを紹介する動画を公開した。11月22、23日には都内で記念大会を開き、一般公開のチャリティーコンサートも行う。伝道事業部長の石川和男さんは「この機会に救世軍の取り組みを知ってほしい」と話している。

メディアチームを結成して制作した動画は約8分。1895年9月4日に英国人士官の一行が横浜に上陸して以後、日本人初の士官となった山室軍平やその妻、機恵子らが社会事業を展開していった歴史を紹介する。

1995年11月には100周年の記念事業として山室軍平記念資料館(東京都杉並区)を開設。現在、館長も務める石川さんは、2万点超に上る資料やその目録をデータベース化する構想を描く。

資料館そばの救世軍ブース記念病院は16年、結核療養所として開き、地域医療の中心的な役割を担ってきた。しかし、コロナ禍以降は経営難となり、都内の医療法人グループに事業譲渡。今年7月、「タムス杉並病院」として再出発した。

病院や資料館は宗教法人救世軍の運営だが、児童養護施設、救護施設、特別養護老人ホーム、老人保健施設、ケアハウス、女性自立支援施設、保育所は社会福祉法人救世軍社会事業団が運営する。

石川さんは「結核対策は歴史的な役割を終えたと言えるが、これからは刑務所を出た人の社会復帰支援が重要かもしれない」と話す。

1995~2019年の救世軍の歴史は、11月の全国大会に合わせ書籍にまとめる。同22日のチャリティーコンサートは日本橋公会堂(中央区)で午後2時開演。入場無料、事前申し込み制。問い合わせは救世軍コンサート事務局(jpn.concert@jpn.salvationarmy.org)まで。

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